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星野 克道; JT-60チーム
Proceedings of 14th Joint Workshop on Electron Cyclotron Emission and Electron Cyclotron Resonance Heating (EC-14), p.26 - 36, 2006/00
JT-60Uの電子サイクロトロン波(ECW)パルス幅は、放電の長時間化に伴って伸長してきており、ECWはJT-60Uのプラズマの性能向上をめざした実験研究に重要な手段となっている。ECWは、プラズマへの近接性がよく、局所的な加熱や電流駆動ができることが特長である。JT-60Uでは、これらの特長を活かしてECWは、新古典テアリングモードの抑制の物理解明,鋸歯状振動の制御,輸送係数の解明,輸送障壁への効果,電流ホールの解明などの最新の研究課題の解明に貢献している。また、他の高周波加熱法と比較して、真空とのマッチングの良さから、予備電離やトカマクの中心ソレノイドなしの電流立ち上げ、また、入射系がディスラプションの影響を受けにくい利点から、壁が飽和に近い状態でのプラズマ立ち上げやたち下げに際しての有効なディスラプション回避手段となり、放電洗浄の回数を減らすことに貢献している。以上のような、ECWの利点を活かした最近の研究について招待講演を行う。
高橋 幸司; 小林 則幸; 春日井 敦; 坂本 慶司
Proceedings of 14th Joint Workshop on Electron Cyclotron Emission and Electron Cyclotron Resonance Heating (EC-14), p.477 - 482, 2006/00
ITER水平ランチャー設計・開発の進展について発表する。ランチャーは、フロントシールドと可動ミラーや導波管伝送機器,内部遮蔽体などを設置するポートプラグから構成され、可動ミラーによる20MWのRFビームパワーのトロイダル入射可変とランチャー機器やコイルを中性子から守る十分な遮蔽性能が要求される。設計及び各種解析から、フロントシードは熱的な構造健全性は担保するものの、支持構造が電磁力に対して厳しく、電磁力低減のためのスリット構造や分離型構造を検討する必要があることが判明した。可動ミラーについては、想定熱負荷及び電磁力に対して構造健全性が確保できることを確認した。可動ミラーの駆動源として超音波モータを適用し、駆動機構モックアップの実験を行うと同時に耐放射線性超音波モータの開発も行っている。また、RFビームの逆方向入射が可能となるような設計オプションの検討も行い、構造的な実現性を確認した。
坂本 慶司; 春日井 敦; 南 龍太郎; 高橋 幸司; 小林 則幸; 假家 強*; 満仲 義加*
Proceedings of 14th Joint Workshop on Electron Cyclotron Emission and Electron Cyclotron Resonance Heating (EC-14), p.517 - 525, 2006/00
ITERに向け、原子力機構で開発中の大電力長パルス170GHzジャイロトロンと、高次モード発振研究のための短パルスジャイロトロンの開発研究の成果を発表する。大電力長パルスジャイロトロン(発振モードはTE31,8)は、長パルス化の障害であったビーム電流のショット中の減少を抑えるため、電子銃用ヒーターの入力制御による電流値一定制御機能を導入し、ITERのパルス幅である1000秒の安定発振を得た(出力0.2MW)。一方、大電力化の障害となるジャイロトロン内不要RFの発生原因が、ジャイロトロン内蔵モード変換器の微小なそりであることを明らかにし、これを改良したモード変換器を製作し、改良型ジャイロトロンの製作を行った。また、短パルスジャイロトロンでは、発振モードとして、1.6MWの連続出力が可能となるTE31,12モードにおいて、目標の1.6MWの単一モード発振を実証した(パルス幅1ミリ秒)。この結果、将来のジャイロトロンの大電力化,長寿命化の可能性を明らかにした。
佐藤 正泰; 諌山 明彦
Proceedings of 14th Joint Workshop on Electron Cyclotron Emission and Electron Cyclotron Resonance Heating (EC-14), p.205 - 210, 2006/00
磁場閉じ込め装置の高温プラズマにおける電子サイクロトロン放射(ECE)の相対論的効果を明らかにするために数値計算を行った。炉心級プラズマにおけるECEの電子温度測定においては、磁場に直交な視線の場合、相対論的効果の影響を考慮する必要があることはよく知られている。視線を磁場に対して直交から斜めにした場合、ドップラー効果が大きくなるが、相対論的効果が少なくなることが期待される。それぞれの影響を評価するために、ECEの放射輝度の数値計算を行った。まず、相対論的球対称Maxwell分布に対する斜め伝搬ECEの放射率を導出した。この式は、視線が磁場に直交する場合のTrubnikovの式の拡張にあたる。この式をもとに放射輸送の式を解いて、観測方向を全立体角にわたってスキャンし、斜め伝搬のECEを評価した。電子温度が25keV以下であれば、観測方向を水平面から斜めにすることにより、中心の電子温度を測定することができる。しかし、それより高い温度では、従来用いられている2倍高調波から求める方法では中心温度を求めることができない。光学長を評価し2倍高調波の吸収を考慮する方法により、測定できる可能性があることを指摘する。
佐藤 正泰; 西尾 敏; 飛田 健次; 坂本 慶司
Proceedings of 14th Joint Workshop on Electron Cyclotron Emission and Electron Cyclotron Resonance Heating (EC-14), p.385 - 390, 2006/00
経済性の高い核融合炉概念の構築を目指して、中心ソレノイド(CS)を小型化した低アスペクト比のトカマク型原型炉の検討を行っている。この炉概念の課題は、非誘導電流駆動が必要になる点であり、本研究では、中性粒子入射(NBI)装置を用いずに、おもに電子サイクロトロン波(ECW)を用いて、この原型炉の電流立ち上げシナリオについて検討した。ECWの使用のメリットは、電流分布制御性に優れることと、入射パワー密度が高いためブランケットのカバレージを低下させない点にある。他方、電流駆動効率がNBIより低いことが問題点である。低プラズマ電流時にシャインスルー値を低く抑える必要があるNBIを用いた場合に比べ、ECWを用いた場合、1(:ポロイダルベータ値,:逆アスペクト比)を満足する領域まで十分パワーを入射可能であり、入射パワーの制約は少ない。CSにより初期プラズマを生成した場合について、プラズマ電流の時間変化を評価した。全ECパワー130MWで、プラズマ電流2MAからフラットトップ16.7MAまで、約4時間で立ち上げることができる。NBIに比べ、パワー,立ち上げ時間とも約1.5倍程度必要であるが、十分NBIの代わりに原型炉の電流駆動装置に成り得る。また、修正ラザフォード式を基本にしたコードにより、新古典拡散テアリングモードの抑制に必要なECパワーを評価し、その結果も発表する。
Zohm, H.*; 林 伸彦; La Haye, R. J.*; 諌山 明彦; Maraschek, M. E.*; Sauter, O.*; Urso, L.*
Proceedings of 14th Joint Workshop on Electron Cyclotron Emission and Electron Cyclotron Resonance Heating (EC-14), p.334 - 339, 2006/00
ITERにおいては電子サイクロトロン電流駆動(ECCD)により新古典テアリングモード(NTM)を安定化することを想定しているが、その際の重要課題の1つとして、NTMを完全に安定化するために必要な電流量を高い確度で予測するということがある。本論文は、NTM安定化に必要とされるに関する予測計算の結果について記述している。ここに, は、それぞれNTM発生位置における電子サイクロトロン駆動電流密度、及び自発電流密度である。ASDEX-U, DIII-D, JET, JT-60Uの実験データを用いた装置間比較研究により,完全安定化の条件として1という結果が得られた。また、電子サイクロトロン波を変調した場合における安定化効果に関するシミュレーションも行った。その結果、磁気島幅がECCD幅よりも2倍程度以上のときは変調しない場合の方が安定化効果が30%程度大きいが、磁気島幅がECCD幅程度以下になると変調した方が安定化効果が2倍以上になることが明らかになった。